高強度ネット工法の種類
クモの巣ネット工法

防食加工した高強度なネットとクモ用プレート及び補強材等の組み合わせで比較的小荷重のすべり力を抑止する脱コンクリート法面保護工法です。
クモの巣ネット工法の特徴
- 防食加工した高強度なネットを法面全体に被せるように張り、クモ用プレート及び補強材等を組み合わせた法面保護工法で崩壊土塊の中抜けの心配はありません。
- コンクリート構造物を一切使用しないで、法面全体に緑化工等が併用可能です。高強度ネット等も隠れ人工的構造物が目立たない環境になります。
- 廃棄物はほとんど発生しないため、環境に優しい工法です。
- 法面上での鉄筋の組立やコンクリートの打設等が不要なため、施工管理が容易で工期も短縮できコスト縮減になります。
- 地山に凹凸がある場合でも、ざぶとん裏込工法を併用すればクモ用プレートが地山に密着できます。
- 広島県の建設分野革新技術活用制度 効率化部門推奨技術(登録番号:2-05-050-3)
パワーネット工法

素線強度1,770N/mm2を誇る高強度ネットとネイル(異形棒鋼)を組合せた、柔構造の斜面安定工法です。
高強度ネットの力学的特性を十分に発揮させることにより、安全かつ短い工期で斜面安定や転石・浮石の不安定化を防止することができます。
パワーネット工法の特徴
- 不安定な斜面表層などの全体を高強度ネットで覆い、安定地盤にネイルで固定する構造です。
- 高強度ネットには、強度と屈撓性およびワイヤ構造が異なる、TECCOネットとSPIDER S3ネットの二種類があります。
- TECCOネットは表層崩壊の恐れがある斜面に、SPIDER S3ネットは転石・浮石対策として用います。
- 防食性能が高い高強度ネットの使用により、法枠工と同等の拘束効果があります。
- 建設技術審査証明(砂防技術)第1401号
クモの巣ネット工法とパワーネット工法の比較
クモの巣ネット工法 | パワーネット工法 | |
設計方法 | ||
表層の想定崩壊部 | 補強材による引止め効果と締付け効果で設計します。 | 同左(補強材はネイルと称しています。) |
中抜け | 高強度ネットの交点強度と交点数が有効と考えます。 | 高強度ネットの引張力と押し抜き力 (実験値による)で照査します。 |
想定崩壊深 | 3.0m以下を標準。 | 1.5m以下を標準。 |
補強材間隔 | 最大2.0mです。 | 最大2.5mまで拡げられ、経済面で更なる工事費縮減が図れます。 |
頭部締付け | トルクレンチ等により、ゆるみのないように締付けます。 | 地盤条件に応じて、5kN or 15kN or 30kNに設定して締付けます。 締付け力は、中抜けの設計計算において反映されます。 |