エコ・パワーネット
概要
高強度ネット工法は、従来の枠構造物等とは異なり、素線強度1,770N/mm2の高強度ネットと補強材(異形棒鋼)とを組合せた柔構造の斜面対策工法です。
高強度ネットの力学的特性を十分に発揮させることにより、安全かつ短い工期で斜面安定や転石・浮石の不安定化を防止することができます。
高強度ネットの力学的特性を十分に発揮させることにより、安全かつ短い工期で斜面安定や転石・浮石の不安定化を防止することができます。
特徴
- 環境負荷の低減
- 耐震性・耐凍上性
- 品質向上と施工管理項目の軽減
- 気象の影響を受けにくい施工
- 工程・工期の大幅な短縮
- 国土交通省NETIS登録番号
クモの巣ネット工法:KT-020056-VE(NETIS掲載期間終了技術)
パワーネット工法:KT-080009-A(NETIS掲載期間終了技術)
- パワーネット工法:【建設技術審査証明(砂防技術): 第1401号】
高強度ネット工法の種類
クモの巣ネット工法
パワーネット工法
クモの巣ネット工法とパワーネット工法の比較
クモの巣ネット工法
| パワーネット工法
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設計方法
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表層の想定崩壊部
| 補強材による引止め効果と締付け効果で設計します。
| 同左
(補強材はネイルと称しています。)
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中抜け
| 高強度ネットの交点強度と交点数が有効と考えます。
| 高強度ネットの引張力と押し抜き力 (実験値による)で照査します。 |
想定崩壊深
| 3.0m以下を標準。
| 1.5m以下を標準。
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補強材間隔
| 最大2.0mです。
| 最大2.5mまで拡げられ、経済面で更なる工事費縮減が図れます。
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頭部締付け
| トルクレンチ等により、ゆるみのないように締付けます。
| 地盤条件に応じて、5kN or 15kN or 30kNに設定して締付けます。
締付け力は、中抜けの設計計算において反映されます。
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高強度ネットの特性
引張試験結果を高強度ネットと一般的金網(JIS3552φ3.2-50×50)で比較してみました。
一般的な金網の素線引張強度は、高強度ネットの1/4~1/5ですが、その強度値以外にも斜面安定工の材料に必要と思われる特性に違いが見えます。
右のグラフは、変位量と破断するまでの荷重を示したもので、両者とも立ち上がりはほぼ同じです。しかし、変位量が200~300㎜付近になると、一般的な金網はどんどん伸び、40kN付近で破断してしまいます。
一方、高強度ネットは破断するまで大きな荷重に耐え、「粘り強さ」が顕著に現れています。
斜面安定には、この粘り強さの特性が有効なのです。
既設吹付け面等の補修・補強
老朽化したモルタルを取り壊して、また同じ吹付けをしますか?
老朽化した既設吹付け面の例
老朽化した既設吹付け面の例
既設吹付け面の剥離破壊状況例
(寒冷地でよく見られます。)
高強度ネットにより、異形棒鋼管の崩落を抑止します。
産業廃棄物の発生が大幅に少なくなります。
道路幅が狭い箇所等においても、施工が容易な工法です。
仮設防護柵が不要になったり、交通規制の縮減・低減ができます。
また簡便な構造なので工期が短縮でき、緊急対策工事としても適しています。